大阪の駅名の特徴の1つに「長い」というのがある。よくあるのが隣接する2つの町の名をならべた連名駅名。喜連瓜破駅、関目高殿駅、千林大宮駅、野江内代駅など。または四天王寺夕陽丘駅など、神社名と地名を並べたものもある。さらに天神橋筋六丁目駅など、連名でもないのやたら長い駅名もある。



北大阪急行が延伸することになった。この延伸により新設される駅名が決定した。

箕面萱野駅

箕面船場阪大前駅

漢字4文字と7文字。大阪の駅名に対する傾向がしっかり引き継がれている。ただ今回の駅名は、2つの地名を並べたものではない。そのあたりが気になる。

まず、箕面萱野(みのおかやの)駅。

萱野は箕面市の町名にあたる。駅名として駅のある地名を採用する。これは問題ではない。ではなぜ萱野駅ではなく、箕面萱野駅となったのか。この場合の箕面は萱野よりも広範囲を示す地名である。このような命名は、同名の駅名があってまぎらわしい場合につけられることが多い。

ところが萱野駅は他にない。

ではなぜ箕面萱野駅と箕面にあることになったのか。

こちらは当初、駅名の案は新箕面駅であった。つまり、箕面方面への延伸が今回の謳い文句である。しかも終点である。萱野より知名度のある箕面を採用するのは理解できる。

ではなぜ新箕面駅にならなかったのか。駅名は公募をもとに、駅名検討会議が検討した。会議の参加メンバーは地元自治会、協同組合、大学、鉄道会社など地元の団体からなる。結果から見ると、箕面を駅名に残したい意見と、萱野の名前を採用したい意見の折衷案のように思われる。また同じ市内にに箕面駅と新箕面駅が共存する混乱も考慮されたのではないか。

続いて、箕面船場阪大前駅。

船場は大阪市にある有名な地名である。しかもこの船場という地名も、大阪市の船場にある問屋が箕面に移転したことに由来する。船場駅は実際にはないが、混乱することは十分に予想される。これは箕面船場駅とするのは正解であったかもしれない。

問題は阪大前の名前までついたことである。これは阪大箕面キャンパスに由来するが、現在、箕面キャンパスは駅の近くには存在しない。ただたしかに、駅の近くに移転予定である。確かに駅名の印象として大学の名前をいれる傾向はある。ただ阪大のキャンパスは箕面だけではない。豊中キャンパスや吹田キャンパスもある。駅名に名前をいれることで、阪大の中心が箕面船場の箕面キャンパスにあるという誤解を招く可能性がある。また駅名としてすでに4文字の駅名に、さらに3文字を追加する必要があるだろうか。並列でなくても副駅名、たとえば箕面船場(阪大前)駅でも良かったのではないか。ちなみに阪大はこの駅名選定委員会のメンバーにも入っている。